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もんじろうかわら版

 最新のイベント情報や文書館の業務の様子を職員が紹介します。
・(2019.7.9)
 もんじろうかわら版 令和元年度第4回
 「『埼玉県史料叢書』紹介展示、はじめました。」
 
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【開館時間】
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【休館日】
 月曜日、毎月末日、
   祝日、
   年末年始(12月29日~翌1月3日)
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平成30年度 もんじろうかわら版


2019/02/22

30-22 日本煉瓦製造株式会社文書が県指定文化財になりました!

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 218日、県教育委員会は県文化財保護審議会から答申を受け、同22日、県指定文化財に「めがね橋(旧倉松落大口逆除)付倉松落大口逆除之碑」(有形文化財・建造物)など5件を新規指定し、秩父市内で生育する「久那のステゴビル」(天然記念物)を追加指定しました。これにより県指定文化財は721件になりました。

 新規指定された5件のなかの「旧日本煉瓦製造株式会社関連資料」(有形文化財・歴史資料)1,459点は、現在は深谷市の所蔵ですが、うち9割弱にあたる1,268点は「日本煉瓦製造株式会社文書」の名称で当館に寄託されています。なお、残りの191点は、深谷市の旧煉瓦製造施設に収蔵されています。

 

 日本煉瓦製造株式会社は、洋風官庁街を建設するために明治19年(1886)に設置された臨時建築局に煉瓦を納入することを目的に、同20年(1887)に創設されました。当時は国産煉瓦の生産は質・量ともに安定せず、機械を導入した近代的な量産体制の確立が求められていた時代でした。しかし、当時の国家財政には官営工場をつくる余裕がなかったため、臨時建築局総裁の井上馨は、大蔵省時代の同僚で実業界の重鎮渋沢栄一に会社の設立を呼びかけました。渋沢は呼びかけに応じて資金、発起人を集め、日本橋で「日本煉瓦製造所」を創立し、榛沢郡上敷免村、新井村(ともに現深谷市)に煉瓦製造工場を建設しました。この工場で製造された煉瓦は、東京駅や法務省旧本館(現東京都千代田区霞が関)、日本銀行本店旧館(現東京都中央区日本橋)など明治時代を代表する近代建築に使用され、その多くが現存しています。

 

 当館収蔵の日本煉瓦製造株式会社文書は、同社の創業から昭和期にかけての企業文書で、会社の経営に関係するもの、煉瓦窯や専用鉄道など工場に関係するもの、大正7年(1918)に合併した金町製瓦株式会社の経営に関係するもの、社長を務めた諸井恒平が渋沢栄一らと交わした書状など1,324点で構成されています。このうち、今回の指定では、高度経済成長以前の昭和29(1954)までを対象としており、これに該当する文書1,268点が県指定文化財となったわけです。

 

 特に、経営に関係する文書として、創業した明治20年から昭和20年(194512月までの60年あまりにわたる理事、取締役会議(評議会)の評議録が残されており、日本の近代化を支えた同社の歩みを知ることができる貴重な資料となっています。同文書からは、煉瓦製造が軌道に乗り始めた明治20年代中頃、増大する東京への輸送量に従来の舟運では対応できなくなり、鉄道輸送へ切り替えるために深谷駅と工場を結ぶ専用引込鉄道を計画した経緯などを見ることもできます。当館ホームページでは、この創業期の評議録を取り上げた論考も掲載しています(井上かおり「「評議録」にみる創業期の日本煉瓦製造株式会社」)。

 また、煉瓦の焼成窯であるホフマン窯(重要文化財)の原図や、専用引込鉄道の敷設に関する文書、今も残る備前渠鉄橋(旧指定重要文化財)の設計図など、工場の関連施設についての文書も注目できます。
 
             日本煉瓦製造会社設立願
 
             ホフマン窯断面図

 諸井恒平社長の書状にみられる渋沢栄一とのやりとりからは、産業育成に努めた実業家渋沢の姿をうかがうことができます。

 当館には、諸井恒平の実家である本庄宿の蚕種商・東諸井家の文書(諸井(三)家文書)や、同社の県への申請や調整に関する資料が含まれる埼玉県行政文書も収蔵されており、関連する資料として合わせて参照することができます。

 

 4月の当館リニューアルオープン後には、複製本での閲覧にはなりますが、新たに県指定文化財となった「日本煉瓦製造株式会社関係資料」をご覧いただくことができますので、是非ご利用ください!(K)


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